「アプリを作ってみたいけど、何を勉強すればいいかわからない…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
iPhoneやiPadのアプリを開発するには、実は「見た目を作るだけ」では足りません。
プログラミングの知識はもちろん、データの保存、画面の設計、不具合の対処法まで、
知っておくべきことは意外とたくさんあります。
でも大丈夫です。最初に全体像をつかめば、迷わず一歩目を踏み出せます。
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iOSアプリ開発に必要な技術スキル
今回の動画では、これからアプリ開発に挑戦したい人に向けて、
「どんなスキルが必要なのか?」を3つのステップに分けてわかりやすく整理しました。
iOSアプリ開発の全体像をつかもう
アプリは、画面の見た目をつくるだけではなく、データの保存やネット通信、不具合の調査など、裏側の仕組みもすべて自分で作っていく必要があります。
これらのスキルは、大きく3つの段階に分けて学んでいくと整理しやすくなります。

1. 基礎スキル
アプリ開発に取り組む前に必要な土台のスキルです。
開発ツール(Xcode)の使い方や、プログラミング言語(SwiftやObjective-C)、UIを作る技術(SwiftUIやUIKit)などがここに含まれます。
2. 設計スキル
アプリ全体の設計や、画面のつながり方、データの管理方法などを考えるスキルです。
ユーザーが使いやすいアプリにするためには、この設計力がとても重要です。
3. 応用スキル
アプリをより実用的にするためのスキルです。
外部サービスと通信する技術(API)や、エラーの発見・解決方法(デバッグ)などが含まれます。
基礎スキル:開発の土台を固めよう
iOSアプリを開発するためには、まず「土台」となる基礎スキルを身につける必要があります。
この章では、開発ツールの操作、プログラミング言語の理解、UI構築の方法など、アプリ開発のスタート地点に必要な知識を一つずつ整理して学んでいきます。
開発環境の理解と操作
iOSアプリは、Appleが提供しているXcodeという開発ツールを使って作ります。

1. Xcodeの基本操作
プロジェクトの作成方法、ファイルの構成、ビルド・実行、エラーの確認方法など、Xcodeの基本操作を理解することが第一歩です。
2. シミュレーターの利用
Xcodeには、iPhoneやiPadの動作を仮想的に再現できる「シミュレーター」があります。
実機が手元になくても、アプリの動作確認ができます。
3. Playgroundでの検証
Swiftには「Playground」という学習用の実行環境があり、コードをすぐに試せる便利なツールです。
アプリを作らなくてもすぐにSwiftコードが実行できるツールで、簡単にSwiftコードが実行できる、練習や試行錯誤に便利なツールです。
Swiftの学習や動作確認にも最適です。
プログラミング言語の習得
iOSアプリの中身を作るには、プログラミング言語の知識が欠かせません。

Swiftの基礎文法
SwiftはAppleが開発したモダンな言語で、iOSアプリ開発の中心となる言語です。
変数、定数、条件分岐、ループ、関数などの基本文法を学びます。
SwiftとObjective-Cの関係と役割
iOSアプリ開発では、以前はObjective-C(オブジェクティブシー)が主流でした。
現在はSwiftがメインですが、ライブラリや既存コードにObjective-Cが使われていることもあります。
ユーザーインターフェース(UI)の構築スキル
アプリの「見た目」をつくるためには、ユーザーインターフェース(UI)の構築スキルが必要です。

ユーザーインターフェース(UI)とは?
UIとは、ユーザーがアプリとやりとりをするためのボタンや入力欄、画面レイアウトなど、視覚的な操作部分のことです。
使いやすいUIは、アプリの満足度に直結します。
現在のiOS開発には、UIを実装するための3つの主要な方法があります。
1. SwiftUI
新しいUI記述方法。コードで宣言的にUIを構築。Objective-Cで利用することはできず、Swift言語でしか利用できません。
2. UIKit
従来のUI構築方法。細かい制御がしやすく、現在も多くの現場で使用されています。
3. Storyboard
UIKitのUIを視覚的に設計できる機能。画面遷移やUI構成を図で見ながら作れる。
それぞれの方法には得意・不得意があります。
最近では、SwiftUIが積極的に利用されていますが、実際の開発現場では、これらを組み合わせて使うケースもよくあります。
CodeCandyTutorでは、SwiftとSwiftUIを重点的に学びます。
CodeCandyTutor(コードキャンディチューター)とは?
初学者から既にアプリ開発者の方まで、SwiftとSwiftUIのiOSアプリ開発を無理なく楽しく学習ができるアプリです。
SwiftやSwiftUIのレッスンに加えて、公式ドキュメントの読み方も身につけながら、技術の本質的な理解と実装力を効果的に伸ばせるカリキュラムになっています。
新しい技術にも自走して対応できる、そんな「学びの地力」を育てることを目指しています。
設計スキル:アプリ全体を組み立てよう
アプリは画面の見た目だけでなく、「どこに何の情報を保存するか」「画面同士をどうつなぐか」など、アプリ全体の設計がとても重要です。
この章では、アプリの土台となる「設計スキル」を学び、ユーザーにとって使いやすく、自分自身もメンテナンスしやすいアプリを作るための考え方を身につけましょう。

データの管理と保存
アプリの中では、ユーザーの設定や入力内容、取得した情報などを保存しておく必要があります。
保存する情報の性質に応じて、使い分けるべき代表的な仕組みを紹介します。
1. UserDefaults
少量のデータ(ログイン状態やアプリの設定など)を簡単に保存できる仕組みです。
初心者でも扱いやすく、多くのアプリで使われています。
例)
・ダークモードの設定
・前回開いたタブの情報
2. SwiftData(iOS 17〜)
Appleが新しく提供している宣言的なデータ管理フレームワークです。
SwiftUIと相性が良く、コード量を抑えながらデータの保存ができます。
3. CoreData
本格的なデータ管理が必要なときに使われる、オブジェクト指向のデータ保存技術です。
データの関連や検索機能なども備えており、アプリ内での大規模な情報管理に向いています。
例)
・日記アプリで大量の投稿を保存・検索
・ToDoアプリでタスクを分類・管理
画面遷移と構成設計
アプリが成長するにつれ、画面が増えていくことになります。
それぞれの画面がどのようにつながり、どのような役割を持つのかを意識することが大切です。

1. シンプルな画面構成の考え方
まずは、必要な画面をリストアップし、それらを線でつなぐイメージを持ちましょう。
「ログイン → ホーム → 詳細画面 → 編集画面」など、ユーザーの操作の流れに沿った構成が理想です。
最初は紙にスケッチしてみるのもおすすめです。
2. Viewの分離と責務の意識(初歩のMVVM的視点)
アプリが複雑になると、1つのViewにロジックが集中しすぎてしまうことがあります。
これを避けるために、「どの部分が何を担当するのか?」という責務(せきむ)の分離を意識することが重要です。
- View:見た目を担当
- Model:データの構造や処理を担当
- ViewModel:ViewとModelの橋渡し(SwiftUIでよく使われる構成)
まだMVVMを完璧に使いこなす必要はありませんが、「この処理って、見た目と関係ある?それともデータ処理?」と考えるだけで、コードの整理がずっと楽になります。
CodeCandyTutorでは、アプリの設計力を高めるために「見通しのよい構造」と「データを適切に扱う力」を育てていきます。
応用スキル:実用的なアプリを作るために
ここまでで、アプリの土台づくりや設計力の考え方を見てきました。
次は、より実用的で高度なアプリを作るための「応用スキル」を学んでいきましょう。
これらのスキルを習得することで、外部サービスと連携したり、不具合を解決したりと、実際の開発現場でも役立つ力が身につきます。
外部サービスと連携
多くの実用的なアプリは、外部のデータやサービスとやりとりしています。
たとえば、天気予報アプリはインターネットを通じて気象情報を取得し、SNSアプリは投稿をサーバーに送信(保存)する必要があります。

外部サービスとつながる仕組み
アプリは、インターネットの向こう側にあるAPIやサーバーとやり取りすることで、必要な情報を取得したり、データを保存したりできます。
- 天気アプリ → 気象APIから天気データを取得
- SNSアプリ → サーバーに投稿内容を送信・取得
このような通信の仕組みを理解することで、アプリの機能は大きく広がっていきます。
初めは「しくみのイメージ」が大切です。
最初から難しいコードを書く必要はありません。
まずは「アプリが外部とどうつながっているか」をイメージできることが大切です。
今後、具体的なコードを書く段階で、こうした知識がとても役に立ちます。
CodeCandyTutorでは、外部サービスを利用してアプリ開発を行うレッスンも詳しく解説していきます。
デバッグと不具合の解消
アプリを開発していると、思った通りに動かない場面が必ず出てきます。
そのときに重要なのが、原因を突き止めて、正しく修正するスキルです。

1. Xcodeのデバッグツール活用法
Xcodeには、アプリの不具合を調査するための強力なデバッグツールが用意されています。
- ブレークポイントで途中の値を確認する
- コンソールログでエラーを追う
- print(デバッグや結果確認のためにコンソールに値を表示する命令)文で処理の流れをチェックする
などを使って、「どこで何が起こっているか?」を確認しましょう。
2. クラッシュの原因特定と再発防止
アプリがクラッシュする原因には、入力されたデータの扱いなどで、さまざまなパターンがあります。
エラーメッセージやクラッシュログをもとに、「どのファイルの何行目で何が起きたのか?」を特定する力が求められます。
また、再発を防ぐためには「再現手順を整理すること」「例外が起きたときの処理を加えること」が大切です。
この応用スキルを身につけることで、実用レベルの開発力に一歩近づくことができます。
自分の作ったアプリを、さらに便利で信頼性の高いものにしていきましょう。
これで、「iOSアプリ開発に必要な技術スキル」の全体像をひととおり見てきました。
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、ひとつずつ学んでいけば、誰でもアプリを作れるようになります。